尿酸URIC‐ACID

尿酸URIC‐ACID

尿酸値とは

尿酸値とは、血液中の尿酸の濃度です。また、尿酸はプリン体が体内で分解され、新陳代謝する際に発生する老廃物のことをさします。

プリン体とは

プリン体

食品ではレバー・たらこ・ビールに多く含まれるプリン体は、細胞の核の主成分として存在します。また、プリン体は食品から摂取するほかに、人間の体内でも生産されています。プリン体は、肝臓で代謝されたあと、尿酸となって体外に排泄されます。しかし、体内に過剰に尿酸が増えることで排泄力の低下が起こり、尿酸値の上昇に繋がります。

尿酸値の基準値

尿酸値の基準値は、7.0mg/dLであり、これを越えると高尿酸値症と診断されます。

高尿酸血症とは

血液中にある尿酸の濃度が過剰になった状態をさし、高尿酸値症は女性と比較して、圧倒的に男性の罹患者数が多いことがわかっています。女性はホルモンの関係により、腎臓から尿酸の排泄を促す作用があります。このことから男性の患者数が多くなる傾向にあります。ただし、女性でも閉経後など女性ホルモンの分泌量が減少すると高尿酸値症を発症しやすくなります。

尿酸値が上がる原因

尿酸値

生活習慣の乱れが原因で、尿酸値は上がる傾向になります。プリン体の過剰摂取・メタボリックシンドローム・運動不足・栄養が偏った食生活・肥満なども原因となって発症します。

メタボリックシンドロームとは

内臓脂肪が溜まった状態であり、メタボリックシンドロームの基準値である腹囲が男性85cm~、女性90cm以上の条件と、高血圧・高血糖・脂質異常症のうち2つ以上該当すると診断されます。脂質異常症とは、悪玉コレステロール(LDL)・善玉コレステロール(HDL)・中性脂肪の血液中の濃度が正常値を超えている状態をさします。メタボリックシンドロームは、インスリンの増加によって尿酸を体外に排泄する働きが弱くなります。さらに、尿酸が過剰に分泌されるため、高尿酸血症を発症する可能性があります。

インスリンとは

インスリン

インスリンとは、食事後に血糖値が上昇することに応じて、血糖値を調整するために膵臓から分泌されるホルモンのことをさします。また、血糖値を低下させることができるただ一つのホルモンであり、分泌機能が弱くなることで糖尿病を発症しやすくなります。肉を好んで食べる・飲酒量が多い・プリン体の多い食品を好む食生活をしていると、尿酸値が上昇しやすくなります。また、高尿酸血症には尿酸の排泄がうまくいかないタイプ・尿酸が過剰に生産されるタイプ・両タイプが混合しているものと3種類があります。日本人は、この中でも排泄がうまくいかないタイプが多いとされています。

尿酸値が高い状態が続くとかかるリスクのある病気

尿酸値は、数値が高いだけでは自覚症状がないものの、進行すると腎臓機能の低下や痛みを伴う症状が起こることがあります。次の項目では、尿酸値が高い状態が続くことで発症する可能性がある疾患について説明します。

痛風

プリン体

高尿酸血症が長く続くことで、尿酸が血液から関節へ漏れ出し、結晶ができる関節炎のことを痛風といいます。関節の炎症・痛みが起きる原因に、体内で白血球が尿酸の結晶を破壊しようとすることにあります。尿酸値は、数値が高いだけでは自覚症状がありません。しかし、尿酸が結晶になって関節に増えていくことで、結晶が溜まった部分に炎症が起こり、激痛を伴う痛風発作を起こします。痛風関節炎は、足の親指のつけ根に発症しやすい傾向があります。

尿路結石

腎臓で作られる尿は尿管を通って膀胱で貯蔵され、体外へと排出されます。尿酸値が高い状態が続き、尿管に結石ができることで尿路結石を発症します。結石ができる場所によって異なり、腎臓では腎結石、尿管では尿管結石、膀胱の場合には膀胱結石と分けられます。

腎障害

尿酸値の高い状態は、腎機能低下の原因にもなります。腎臓は血液中の水分・糖分・たんぱく質などの必要なものは体内へと戻す働きをし、不要な水分・塩分は老廃物と一緒に尿として排泄されます。老廃物を排泄する機能が低下することで、必要とするたんぱく質は体外に出されるものの、老廃物が血液中に残るようになり全身の健康障害が起こります。高尿酸血症は腎機能低下の可能性があるため、自覚症状の有無に関わらず早期治療を行うことが大切です。

尿酸値改善のポイント

尿酸値の改善方法には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、尿酸値をよくするための改善方法を解説します。

アルコール摂取量を控える

アルコール

アルコールの中でもビールはプリン体を多く含みますが、アルコールは種類に関係なく尿酸値を上昇させる作用があります。そのため、アルコールを控える必要があります。アルコールは、体内にあるエネルギー源の「ATP(アデノシン三リン酸)」の分解を促進させる働きがあります。

ATP(アデノシン三リン酸)とは

生命活動の利用で欠かせない筋肉の収縮などのエネルギーの貯蔵・利用に関係する物質です。尿酸値を上昇させる原因として、アルコールとプリン体を多く含む食品を摂取することにあります。さらに、アルコール摂取することで食欲増進に繋がり、肥満になることも原因のひとつとされています。1日あたり純アルコール換算で、20g程度が適量とされています。

純アルコールとは

お酒に含まれるアルコール量であり、グラムで表示されるものです。計算方法は、アルコール比重を考慮しお酒の量(ml)×アルコール度数(%/100)×0.8(アルコールの比重)となります。

プリン体を多く含む食品の摂取を控える

プリン体を多く含む食品の摂取を控える

プリン体を多く含む食品には、動物の内臓・魚の干物・乾物などがあります。具体的な品目には、鶏肉・豚肉や牛肉のレバー・さんまの干物・まあじ・まいわし・煮干し・鰹節・干し椎茸などがあります。以上のものの摂取を控えることが大切です。なお、人間の体内には尿酸の元となる物質が多く存在しています。そのため、プリン体の含有量が多いものの摂取を避ける程度がよいとされています。

摂取カロリーの制限する

食べ過ぎることは、プリン体の摂取量増加に繋がります。肥満はプリン体を合成促進させるため、肥満の解消が大切です。カロリー摂取の減らす・運動量を増やして消費カロリーを増やすことが肥満解消には有効です。カロリーとは食べ物から摂取し、生命維持のために消費するエネルギーの量を現す単位をさします。カロリー計算の際、最小単位は1kcalを用います。適切なカロリー計算を出す際、BMIが22であると標準体重となります。ご自身の適切なカロリーを理解し、それに従ってカロリー制限を行います。

標準体重とは
体重

BMIの数値が22は、病気に罹りにくい体重とされています。「身長(m)の2乗」×22で計算できます。BMIは国際的な体格指数で肥満度を表しており、「体重(kg)」÷「身長(m)の2乗」が計算式となります。日本国内では、25以上を肥満と定めています。摂取カロリーを決める際、日常でどの程度身体を動かしているのかが重要です。下記の表で活動レベルをチェックしましょう。

【身体活動レベル】
低い(Ⅰ) 日常で座っていることが多く、活動量が少ない
普通(Ⅱ) 仕事では座っていることが多いものの、職場内での移動・立って行う作業・接客・家事・軽い運動・通勤や買い物での徒歩移動をする
高い(Ⅲ) 移動・立つなどの作業が多い仕事・スポーツなどの運動習慣がある

上記の表で身体活動レベルを確認し、先の標準体重と生活習慣病の食事指導で用いる体重1kg当たりの推定必要カロリーをかけます。

体重1kg当たりの推定必要カロリー数(kcal)
活動レベルの低い(Ⅰ)40歳の女性で身長160cmの推定必要カロリーの計算方法
性別 男性 女性
身体活動レベル 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ) 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ)
18~29歳

35.5

41.5

47.4

33.2

38.7

44.2

30~49歳

33.7

39.3

44.9

32.9

38.4

43.9

50~64歳

32.7

38.2

43.6

31.1

36.2

41.4

65~74歳

31.3

36.7

42.1

30.0

35.2

40.4

75歳以上

30.1

35.5

-

29.0

34.2

-

活動レベルの低い(Ⅰ)40歳の女性で身長160cmの推定必要カロリーの計算方法
標準体重 1.6(m)×1.6(m)×22=56.3kg 1kg当たりの推定必要カロリーは32.9(kcal)であるため、56.3(kg)×32.9(kcal)=1852.2(kcal) 肥満の場合、推定必要カロリーを参考にカロリー制限を行いましょう。

水分摂取を心がける

尿酸の体外への排出を促進させるためには、水分摂取をこまめに行って尿量を増やすことが大切です。1日の飲水量は2L以上が推奨されています。しかし、牛乳・糖分の多いジュース・アルコールを水の代わりに飲むことは避けましょう。

有酸素運動を行う

有酸素運動

有酸素運動は、尿酸値の改善に有効とされています。 ウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリング・エアロビクスダンスは有酸素運動に該当し、筋肉を動かすときにそのエネルギーとして酸素と血糖・脂肪を消費する運動です。筋肉への負担は比較的軽いものになります。有酸素運動は脂肪燃焼効果があるため、肥満の改善に効果があり、尿酸値の改善は脈拍が早くなる有酸素運動が有効であるとされています。その反面、無酸素運動を行うとアデノシン三リン酸(ATP)を消費しやすくなるため、尿酸値が上がるので注意します。

無酸素運動とは

短距離走・筋トレは筋肉を動かすエネルギーとして、酸素を使用しない特徴があります。そのため、短時間で身体に強い負担がかかります。医師と相談の上、ご自身に合った運動を行いましょう。

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